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2026-08-17

慢性炎症に伴うマンドリルの全身性AAアミロイドーシスを病理学的・分子学的に解明

寄稿者:日本獣医生命科学大学


《論文名》
Systemic amyloid A amyloidosis to presumed chronic vertebral osteomyelitis and pressure ulcers in a mandrill (Mandrillus sphinx)
(和訳) マンドリル(Mandrillus sphinx)における慢性脊椎骨髄炎および褥瘡に続発した全身性アミロイドAアミロイドーシスの一例

《著者》
石原 明歩(1) 、 川瀬 啓祐(2) 、正藤 陽久(2) 、飯田 伸弥(2) 、門脇 孝太(1) 、山下 ひな(3) 、長島 智和(1) 、小林 夏海(4) 、村上 智亮(4) 、町田 雪乃(1) 、上家 潤一(5) 、長谷川 大輔(6) 、道下 正貴(1)
獣医学科・獣医病理学研究室
日立市かみね動物園
獣医学科・獣医衛生学研究室
東京農工大学・獣医毒性学研究室
麻布大学・病理学研究室
獣医学科・獣医放射線学研究室

《掲載雑誌》
Journal of Veterinary Medical Science(2026年、88号 1220-1224)・J-STAGE


【研究内容】

マンドリル(Mandrillus sphinx)に発生した全身性アミロイドA(AA)アミロイドーシスについて、Journal of Veterinary Medical Scienceに報告しました。本研究では、病理組織学的解析に加え、免疫組織化学および質量分析を用いて解析を行い、沈着したアミロイド蛋白が血清アミロイドA(SAA)由来であることを明らかにしました。

AAアミロイドーシスは、慢性炎症に伴って産生されるSAAが全身の臓器に沈着する疾患であり、ヒトをはじめ様々な動物種で知られています。本症例では、脊椎骨髄炎や褥瘡が認められ、これらの持続的な炎症が全身性AAアミロイドーシスの発症に関与した可能性が示されました。
病理組織学的解析では、肝臓、脾臓、腎臓、心臓および消化管などの諸臓器にアミロイド沈着を確認しました。さらに、免疫組織化学によりSAA陽性を示し、質量分析ではSAA-2が主要なアミロイド蛋白であることを同定しました。これらの解析により、本症例が全身性AAアミロイドーシスであることを総合的に確認しました。

慢性炎症と全身性疾患との関連は、ヒト医療においても重要な研究テーマの一つです。本研究成果は、ヒトと動物に共通する病態の理解に貢献するとともに、比較病理学およびワンヘルス・ワンウェルフェア研究の発展につながることが期待されます。


《研究者情報》
道下 正貴(獣医学科 獣医病理学研究室・准教授)


▼詳細はこちら
https://www.nvlu.ac.jp/news/20260814-01.html/