後輩や新人を指導していると、「自分が新人だった頃はこうしていた」「自分はこうやって覚えた」という経験をもとに、教え方を考えることがあります。経験のある人だからこそ伝えられることはたくさんあります。失敗した経験も、現場で身につけた工夫も、教科書だけでは学びにくい大切な知識です。

一方で、「昔の自分」を基準にして教えることには、注意が必要です。自分ができたことを相手もできるとは限りません。自分には合っていた学び方が、別の人にも合うとは限りません。さらに、医療を取り巻く環境や教育の方法そのものも変化しています。 指導する側の経験が豊富であるほど、「自分の経験」を基準にしてしまう危うさがあります。